
お盆に飾る旗(はた)の意味

施食会(せじきえ)の時に見かける旗
この見なれない旗には何が記してあるのでしょうか?
どんな意味があるのでしょうか?
中央にある五色の旗を、五如来幡(ごにょらいはた)といいます。
南無離怖畏如来(なむりいふにょらい) 南無廣博身如来(なむこうしんでんにょらい) 南無甘露王如来(なむかんろおうにょらい) 南無妙色身如来(なむみょうしきしんにょらい) 南無多寶如来(なむたほうにょらい) |
これは すべて如来(にょらい)の名前です。
如来とは、真理を悟った者 という意味で、仏教における最高の悟りを開いた存在を指します。
それぞれの最初に書いてある 南無(なむ)は尊敬する、敬う、などの意味がある言葉です。
この五如来幡(ごにょらいはた)にはお盆の由来があります。
ある時、お釈迦様の弟子が瞑想していると、鬼が現れ、
「お前は3日後に死んで、鬼の世界に生まれかわる」と告げました。
驚いた弟子は、助かるための方法をお釈迦さまに尋ねた所、
「清らかな器の中に水を入れ、餅や飯などを少しばかりその中に入れ、5人の如来の名前を唱えなさい」と伝えました。
弟子は、お釈迦さまの教えの通り鬼に飲食を施し、供養を行うと鬼は救われ、弟子は長寿を全うする事ができたと言います。
五如来幡(ごにょらいはた)の両サイドにある白地の旗には四天王(してんのう)の名前が記されています。
四天王の名前を書いた旗を飾って、それぞれ東西南北の守護を願います。
南方増長天(ぞうちょうてん)は、恵みを増大させる者 という意味で、成長を司ります
東方持国天(じこくてん)は、国を支える者 という意味で、国土を守護します 西方広目天(こうもくてん)は、筆と巻物を持ち、人々を苦しみから救うご利益 があります。 北方多聞天(たもんてん)は、別名を毘沙門天(びしゃもんてん)とも言い、福徳や戦勝のご利益があります。 |
一番端の長い旗を大幡といいます。
唵麽抳嚩日哩吽(おんまにばじれいうん)
唵麽抳駄哩吽泮吒(おんまにだれいうんばった) |
施食会法要で読まれる経典 甘露門(かんろもん)に出てくる言葉が記されています。
これを数多く唱えることで 様々な妨げがなくなる と言われています。
施食会(せじきえ)は皆様のご先祖様はもちろん、有縁無縁の魂にもご供養のお気持ちをお届けする法要です。
皆様に人間本来の 感謝と報恩の美しい心 を育んで頂ければ、と願います。
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