紫雲|ありがたい雲
今の世の中を見ますと、世界のどこかで争いが起こり、その影響は遠い国の出来事では終わりません。
日本でも物価高騰への支援策が各地で続いており、暮らしの重さを感じる方が少なくありません。
現代は明らかに心安らかに暮らしにくい時代だと感じます。
しかし、道元禅師(1200~1253)が生きられた鎌倉の世も、また乱れの多い時代でありました。
そうした中で道元禅師は、世の乱れに心を奪われるのではなく、ただひたすら仏の道を求め、お釈迦さまの教えをよりどころにして歩まれました。
これは、道元禅師を高祖として仰ぐ曹洞宗の大切な歩みの中でも受け継がれている姿です。
本日は道元禅師が詠まれた和歌を引用した 大聖釈迦牟尼如来御詠歌 の講義をさせて頂きました。

お釈迦さま、どうか多くの人々のためにお慈悲をお与え下さい、と読まれた 大聖釈迦牟尼如来御詠歌の歌詞

梅花流詠讃歌の歌詞には、私たちを安らぎへ導く仏さまの教えと思いが込められていると示されています。
副題である、紫雲とは、仏さまの尊さを思わせるありがたい雲のことです。
世が乱れているからこそ、空を覆う暗い雲ばかりを見るのではなく、その向こうにある紫雲のような仏の慈悲を仰ぎたいものです。

私が30世住職を務めさせて頂いている雲林寺もまた、雲という字をいただいております。
雲という字をいただくこの寺が、ただ名前だけでなく、紫雲のようにありがたく、仏さまの慈悲を思わせる寺でありたいと願っております。
お参りに来られた方が、ここで少し心を休め、手を合わせ、また明日を生きる力をいただいて帰られる。そんなお寺であれたらと思います。







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