寝釈迦像
右手を枕にして頭を支え、薄目を開けているお釈迦様
現在、雲林寺境内に建立中の寝釈迦像です。
この姿はお釈迦様の現世での最後の姿を表現したものです。
入滅する直前、横になりこの姿で弟子達に最後の説法を説いた、いわれています。
とても穏やかな表情で、どこか懐かしいような、心落ち着く優しいお顔です。
80歳になられたお釈迦様は多くの修行僧と一緒に、最期の地 クシナガラにむかって進んでいおりました。
クシナガラの入口に河があり、その辺までたどり着くと一歩も動けなくなってしまいました。
河の東側の一体は、沙羅双樹の林となっており、お釈迦様はこの林の中で休みたいと言われました。
弟子達は沙羅双樹の林の中に石の台を見つけたので、ここにお釈迦様に休んでいただきました。
そのとき沙羅双樹が一面に花開き、空からは白檀の花が降り注いだ、といわれております。
お釈迦様は最期まで意識がはっきりしており、枕もとにいる修行僧たちに最後の言葉を残しました。
「私の亡きあとは、私ではなく自分自身をより所として、また私が伝えた教えを、闇を照らすともしびとして、歩んでゆきなさい」
お釈迦さまは個人崇拝の対象となることを否定され、弟子一人ひとりが確かに、自立して進むことを求めたのでした。
そして
「もろもろの存在は変わってゆく。怠らず精進しなさい。」
という最期の言葉を残し、静かに息をひきとったのでした。
入滅したのは満月の夜といわれてます。
雲林寺ではお釈迦さまのご命日である2月15日に、「涅槃会(ねはんえ)」を修行します。
また、2月中は雲林寺本堂に、お釈迦さまの最期の様子を描いた「涅槃図(ねはんず)」を出しておりますので、是非お釈迦様のご遺徳をしのび、ご覧いただければと思います。
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