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業界って?|独生独死(どくしょうどくし) 独去独来(どっこどくらい)|わかり合えなくてあたりまえ|みんな誰でも、独りぼっち

独 雲林寺

業界(ぎょうかい)と聞くと、芸能界だったり、就職先の業界、例えばIT業、金融業、サービス業等連想されるかと思います。

業界とは元々仏教の言葉であります。仏教では業界(ごうかい)と読みます。

業というのは「カル」のことで、行いという意味です。ですので業界行いによってつくられた世界をいいます。人はそれぞれ異なる行いをしていますから、それぞれ独自の業界に住んでいます。

同じ日に、同じ両親から生まれた双子も、同じ業界ではありません。環境は似ているかもしれませんが、行動や行動から感じる事は全く違います。この世に誰一人、同じ業界の方はおりません。

「どうして、私の事、わかってもらえないんだろう」

「あの人の考え方は全くわからない」

人それぞれ、全く違う環境に生まれ、育ち、大人になり、個が確立されたのですから

「わかり合えない」

事は、考えてみれば当然なことです。人は皆、同じ空間で、同じものを見ていたとしても、それぞれが別の世界に住んでいるのです。

どんなに近しい距離、親しい仲、大切に思っている人とでも、人と人とは究極的には「わかり合えない」のです。

でも、だからこそ、個が個として孤独のままで、支え合ったり励まし合ったり寄り添ったり高め合ったりして、己と他者を探究しながら生きていくこと自体が、人間が人間たるゆえんなのではないでしょうか?

お釈迦様は

独生独死(どくしょうどくし) 独去独来(どっこどくらい) 「独り生まれ独り死し 独り来りて独り去る」と言いました。

生まれてきたときも独りならば、死んでゆくときも独り。独りで来て、独りで出てゆくということです。

人生とは大勢いる中で独りぼっちになったわけでなく、もともと独りぼっち同士がたまたま縁あって集まり、連帯しているにすぎないのでしょう。

だからこそ、お互いがそれぞれの立場や違いを越えて、共に認め合い尊敬し合うことが大切なのかもしれません。

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