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五観の偈|いただきます、ごちそうさま|食事を見直せば人生が変わります

群馬県吾妻郡長野原町長野原73 雲林寺 0279-82-2201

何気なくしている前の「いただきます」後の「ごちそうさま」 

儀礼的なものでありながら、感謝、親愛の情を込めたあいさつは、気持ちのよいものです。

私たちは「事」無くして生きることはできません。「事」は私たちの健康を支えるだけでなく、人と人を繋ぐコミュニケーションの場でもあります。

命の源となる「事」 曹洞宗の開祖である道元禅師(1200年1月19日~1253年9月22日)は「事」に対して強いこだわりがありました。

道元禅師 雲林寺

五観の偈(ごかんのげ)は主に禅宗において事の前に唱えられる偈文(げもん=仏徳を讃える詩のようなもの)です。中国から伝わり道元禅師が紹介し、日本でも知られるようになりました。

に関する5つの思想をまとめたのが五観の偈(ごかんのげ)です。

五観の偈は、事の前に5つの言葉を唱え、べる事も修行の一つとしております。

 

①一つには、こう多少たしょうはかり、来処らいしょはかる。

つには、おのれ徳行とくぎょう全欠ぜんけつはかっておうず。

③三つには、しんふせとがはなるることは、貪等とんとうしゅうとす。

つには、まさ良薬りょうやくこととするは、形枯ぎょうこりょうぜんがためなり。

つには、成道じょうどうためゆえに、いまこのじき

何を言ってるのか全くわかりません。わかりやすく解説したいと思います。

①この事がここに来るまでに、どれだけの人や自然の力を頂いたか、よく考えましょう。
この一椀のご飯も、大地の恵みでお米ができ、農家さんが居て、それが運送され、お米屋さんが精米してくれて、最後に調理してくれる人が居ます。人や自然の恵みでこの一杯のご飯がここにあるのです。これは奇跡的なことです。「」にはとても多くの人が関わっているのです。そのことに感謝をしなさいと説いています。

②「働かざる者うべからず」という言葉があります。自分にはこの事を頂くだけの仕事、勉強等をしたかな?と反省してみましょう!

③自分の心が貪(とん)=過ちに支配されていないか事中、振り返ってみましょう。

④人の体はべたもので作られます。良い薬のようなものです。栄養バランスを整え、健康であるために食べましょう。

⑤毎日頑張って生きていますます。更に頑張れる様に今からこの事をいただくのです。「いただきま~す!!」

『五観の偈』が理解できた上で、それらを凝縮した一語として「いただきます」「ごちそうさま」を唱えることができれば、きっと毎日の事がさらに尊い「食べる修行」となるでしょう。

相手を思いやる心、相手の立場にたつ想像力 以心伝心

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