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鎌倉仏教が生まれた背景

道元 雲林寺

平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、政治は動乱しており、社会は大きな転換期を迎えていました。

当時の仏教界の腐敗堕落ははなはだしく、大寺院は僧兵を蓄え、俗権を争っていました。国家や貴族たちの現世利益のために仏に祈り、広く民衆の心を救済する、という問題意識を持っていなかったのです。

こうした庶民の切実な願いにこたえるために、鎌倉六宗といわれる新仏教が登場したのです。

宗派 開祖 生没年 中心寺院
浄土宗 法然 1133-1212 知恩院(京都)
臨済宗 栄西 1141-1215 建仁寺(京都)
浄土真宗 親鸞 1173-1202 本願寺(京都)
曹洞宗 道元 1200-1253 永平寺(福井)
日蓮宗 日蓮 1222-1282 久遠寺(山梨)
時宗 一遍 1239-1289 清浄光寺(神奈川)

道元禅師 雲林寺

道元は幼くして父母を亡くし、比叡山で出家しました。

天台宗に疑間を抱いて下山し、栄西の弟子明全みょうぜん(1184〜1225)に学びます。

24歳で宋に渡り、如浄にょじょう禅師のもとで修行に励まれ、「正伝の仏法」を相続します。

28歳で帰国した後、正しい坐禅の作法と教えをすすめようと『普勧坐禅儀ふかんざぜんぎ』を著され、34歳のときに宇治に興聖寺こうしょうじを建立し、最初の僧堂を開いて修行者の養成と在俗の人びとへの教化を始めました。また、仏法の境地と実践を伝えるべく『正法眼蔵しょうぼうげんぞう』の執筆を続け、45歳のときに越前(福井県)に永平寺を建立しました。

その後も道元は修行の生活を送りながら弟子の育成につとめ、1253年、54歳でその生涯を閉じました。

道元の開いた曹洞宗は、道元亡きあと、に瑩山紹瑾けいざんじょうきん(1268〜1325)の努力によって、民衆の間に広まりました。

㊧瑩山        お釈迦様         ㊨道元

今日、曹洞宗は全国に約1万5千の寺院と、800万の檀信徒を擁する大宗団に発展しました。

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