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薬指(くすりゆび)の由来|薬師如来

雲林寺0279-82-2201 長野原町長野原73

真ん中の中指(なかゆび)、小さいから小指(こゆび)。

では、第四指をなぜ薬指(くすりゆび)と言うのでしょうか?

薬師如来(やくしにょらい)は、衆生の病気を治し安楽を与えるとされます。

左手に薬のツボを持ち、右手は私たちのほうに向け、その第四指を少し前に出しています。

それで、この指を「薬指(くすりゆび)」と呼ぶようになったといわれています。

 

現在は癌などの病気を除いて医学治療で完治することができますが、

医学が未発達だった昔は、病気になれば有効な薬などが無くどうすることも出来ませんでした。

人間を病気から守り、死を遠ざけるとされる薬師如来は、医学が未発達だった当時の人々にとって御利益ある仏さまであり、多くの人々の信仰の対象でした。

 

薬師如来は、正式には 東方浄瑠璃教主薬師瑠璃光如来 といいます。

東方 というのは、太陽が東から昇る、つまり私たちが今、生きている世界のことを表します。

瑠璃(るり)とは、深い青色の宝石(ラピスラズリ)です。

昔は仏の功徳を様々な宝石に譬えました。薬師如来は瑠璃です。

西方の教主・阿弥陀如来(あみだにょらい)が死後にやすらぎを与えてくれるのに対し、

薬師如来は現世に願いを叶えてくれるとされます。

 

薬師さまは、仏になる前の修行時代に、十二の誓い を立てられ、このすべての願いを叶え薬師如来になりました。

 第 1 願 光 明 普 照(こうみょうふしょう) すべての人々を悟らせるという願い。

 第 2 願 随 意 成 弁(ずいいじょうべん) すべての人々の事業を成就させるという願い。

 第 3 願 施 無 尽 仏(せむじんぶつ) すべての人々の願いを叶え、必要なものを手に入れ豊かにするという願い。

 第 4 願 安 立 大 乗(あんりつだいじょう) すべての人々の悟りを確立させ、仏の正しい教えに導くという願い。

 第 5 願 具 戒 清 浄(ぐかいしょうじょう) すべての人々を日々精進させるともに、善行を促すという願い。

 第 6 願 諸 根 具 足(しょこんぐそく) 身心不調の人々も、貧窮多苦の人々も、迷いを生ずる原因をすべて消滅させる願い。

 第 7 願 除 病 安 楽(じょびょうあんらく) すべての人々の病苦を完治し除き、心身ともに安楽にするという願い。

 第 8 願 転 女 得 仏(てんじょとくぶつ) 弱い立場である女性が力と勇気を得るという願い。

 第 9 願 安 立 正 見(あんりつしょうけん) すべての人々を悟りの妨げとなる魔から救い、健全な精神を得るという願い。

 第10願 苦 悩 解 脱(くのうげだつ) すべての人々の苦悩や災難をことごとく消滅させるという願い。

 第11願 飲 食 安 楽(おんじきあんらく) すべての人々が飢えに苦しむことがないようにする願い。

 第12願 美 衣 満 足(びいまんそく) すべての人々に衣服を与え、心慰めるものを与えて満足させる願い。

薬師如来は、十二の大願を立てて、私たちを清らかな瑠璃光浄土にお導き頂きご利益を下さいます。 

お薬師様のご真言は、

オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ

 

生き方に迷ったとき、不安や苦しみを抱えているとき、意味はわからなくても、薬師如来を信じて

オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ

を繰り返し唱えることで、さまざまな災いが取り除かれるとされています。

 

是非、お薬師様のお慈悲をお受け止め下さい。

戒名|仏弟子になった証

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